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ヒルベルトの無限ホテルパラドックス 奇妙な無限のホテル

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<a href="https://pixabay.com/ja/users/valli_photography-13626041/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=5148865">Valentin J-W</a>による<a href="https://pixabay.com/ja/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=5148865">Pixabay</a>からの画像


ヒルベルトの無限ホテルという思考実験がある。

 

ja.wikipedia.org

 

とあるホテルがある。

このホテルの客室がたとえば10室だったり、100室だったり、2200室であったりと数えることのできる有限の客室しかなかったとする。

この場合、ホテルに泊まることのできる客の人数はその室に対応した数の10,100,2200が限界である。それ以上の訪問客が泊まろうとしても、客室は満員であり空いていない。

 

しかし、ここに無限ホテルというホテルを考える。

無限ホテルは、客室が無限に存在する。

その無限ホテルの客室に無限数の客がチェックインしており、さきほどの有限ホテルと同じように客室は全て満室であるとする。

 

この場合でも、新たに訪問する客をホテルの客室に入れることが可能である。

 

ホテルの客室に番号を1,2,3・・・無限数というように振ったとする。

新たな訪問客に入ってもらうために、1番目の客室のお客さんに2番目の室に移動してもらうよう要請する。そして2番目に泊まっていた客は3番目の室に、3番目に泊まっていた客は4番目の室に、というように一個ずつ室を移動してもらうと、最初の室は空くので、客室が満員でも新たなお客さんを泊めることが可能だ。

 

有限のホテルの場合はそれが出来ない。たとえば10室の客室が満員であるとし、新たな訪問客が一人来た時に、室に番号を1,2,3と10番まで振り、一番目のお客さんに二番目に移動してもらうよう要請する。

二番目以降のお客さんにも同じようにである。そうすると、9番目の室のお客さんが10番目の室に移動する時に、10番目の室の人が移動するための余分な客室が無い為に、人があぶれてしまい、泊めることが出来ない。

 

また無限ホテルには、更に無限数の新たなお客さんをも泊めることが出来る。

無限ホテルの客室は全て満員になっているものの、室に番号を順に1,2,3・・・と振っていく。

そして、その番号をn番とし、n番目の室に泊まっている客に2n番目の室に移動してもらうよう要請する。

1番目のお客さんであれば、2番目に、100番目のお客さんであれば、200番目にといったふうである。nは無限個数あり、2nも無限個数あるために、移動ができ、その結果n番目の客室は空く。その空いた無限個数のn番目の室に、新たな無限数の客を泊めることが果たして可能になるのである。

 

有限の数の場合は、ホテルの客室が満員で空きが無ければ、それ以上お客さんを新たに泊めることはできないと直感でき、実際にも泊めることはできない。

 

しかし、これがホテルの客室が無限数という話となると、有限のときと違い、新たにお客さんを、それもまたも無限のお客さんをも泊めることが出来るようになるという、日常生活の直感と完全に反するパラドックスが起こることがヒルベルトの無限ホテルパラドクスの要点となる。