日商簿記3級はビジネスマンにとりコスパ最高の資格
資格の中でも、ビジネスマンやあるいは個人で事業や商売を行う人にとり、日商簿記3級はコスパ的に最高の資格であると思う。
簿記は決算発表を読み解いたり、企業の帳簿をつける際に必須の技術だ。お金の動きは商売に直結する重要事項である。
日商簿記がとっつきにくいのは、借方と貸方という複式簿記の概念が登場するからだ。
普通の人は小遣い帳や家計簿をつけるとき、お金の出し入れをそのまま記録する単式の記録方法に慣れ親しんでいるが、そのような常識からは出てこない二方向からお金の動きを捉える考え方がしばしば登場する。これが今までの常識に反した心持ちがして違和感を覚えてしまうのだ。
貸方や借方であったり、その考え方を基にした貸借対照表等の基本的な複式簿記の概念理解は、日商簿記3級の試験合格レベルの学習で身につく。
トータルの学習時間は凡そ100時間程度であり、年に複数回実施されており、受験料も3000円未満と非常に廉価だ。
時間やお金をあまり掛けずに済むという意味でコストが低い。
そして、複式簿記は資本主義社会の上場企業のお金の流れや決算を読み解いたり、経理に携わる上で必須のスキルであり、その基礎概念が身につくだけでもパフォーマンスは非常に高い。ビジネスマンや個人事業主にとっては、役立つ局面しかない。
何故かというと今や簿記2級は非常に難しくなっているからである。
出題範囲の改定により、かつては1級の範囲であったリース会計や連結会計、外貨建て取引、税効果会計といった複雑な分野を学習しなければならない。
また重要ではあるものの、製造業特有の工業簿記が2級から登場するが、多くの人にとっては商業簿記よりは実用度が低くなる。
勿論簿記2級は資格の市場価値としては非常に有用であり、企業が応募者に求める資格や応募要件として記載される資格としてはトップクラスである。特に未経験から経理業務に転職を希望する際は、必須の資格であると言えるだろう。
しかし、パフォーマンスは確かにかなり良いものの、難易度があまりにも高くなってしまい生半可な勉強では合格が難しく、時間的なコストとしては高くなっている。